ウィーン交響楽団 AT オペラシティ

ウィーン交響楽団 AT オペラシティ
公式サイトはここ
http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=84&lang=1
これは、シューベルトマーラーと大野さんの組み合わせがどうなるのかという
点で出かけました。
まずはアンコール
公式サイトに上がると思いますが
*J.シュトラウスⅡ:ワルツ「春の声」
 *J.シュトラウスⅡ:トリッチ?トラッチ?ポルカ
 *J.シュトラウスⅡ:雷鳴と稲妻
とくにラストは「こうもり」の舞台でこんな演奏が聞けたら
最高でしょうねえ、というものでした。まあ昨年のフォルクスオパーがそれに近
いのでしょうけど。。。やはり演奏のみですと、演奏が演出だからか、異常な盛
り上がりでした。
しかしマーラーの5番の素晴らしい演奏の後、これらのアンコールって、、
やはりマーラーの余韻に浸りたい気持ちもありました。
また、ウィーンの演奏し慣れた得意の楽曲を聞いてみたい気持ちも途中から出て
きて複雑かつ
しかし楽しいひと時でした。
まずは
シューベルトの「未完成」
湧き上がってくる弦の響きにノックアウトを食らったことは事実です。あと
シューベルトってきれいなメロディーの背後になにか混沌も持っているような気
がしました。これはいつも感じることなんですが。
(というよりも、後期ピアノ・ソナタでも感じるのですが)彼の表向きのきれい
なメロディー裏になんと言うかとてつもない彼の苦悩というかとりとめのないこ
とが自然に浮かんでくるという人間性をすごく感じるのです。この日の演奏も、
その表現がごとくシューベルトをとてもうまく表現していたと思います。
そして
マーラー、5番」
はじめからとてつもない演奏になるなって思っていたら案の定、素晴らしい演奏
になりました。私のマーラーの5番の基準の演奏にしたいと思います。
私はマーラーの5番の音源を家に持っていないのでこの曲に接するのは実演のみ
です。今の時代、インターネットがあるだろうという感じですが、データ量を月
単位で制限されるのでいまはまったく、使わなくなりました。それはそれで聞き
たくなったら実演を聞きに行くというスタイルで気に入ってはおります。ですか
ら生演奏でしか出会うことのないこの交響曲はその出会いが重要なのです。その
大事な出会いの基準にしようと決めたのですから、それなりに私自身、個人的に
感じる何かがあったのでしょう。
一つ言えるのは、この演奏を聞いている間、マーラーという人は変人だなあ、と
思っていたということです。またこの変人の書いたスコアをきれいに決めて演奏
されるとオケを含めて、大野さんもすべて変人だなあ、と思えてくるのです。
(しかしアンコールで現実に戻されました)さらにはそれを聞きに行っている私
も変人か?とこの思いは自分のところまで跳ね返ってきました。
あの、この感触は
マーラーをオペラシティで聞くからか、とも思うのですが
やけに、楽しそうにオーケストラが演奏していたんですよ。
また大野さんとの呼吸もあっていたと思います。ちょっと意地になっていたとこ
ろもありますが。たぶんこの半分くらい日本人なら
もっと音があっていたんでしょうけど、曲げないし、なんと言うかリラックスし
ながら実はすごい演奏だよ、というのを実感させられました。本当に枝葉末節言
いたいことたくさんあるんですよ。しかしトータルで、「良い演奏」だと思うん
です。疲れている雰囲気もあったし、ねえ。。。。さすがというべきなんでしょ
う。
しかしマーラーの5番は積極的に聴きに行きたい曲ですね。
シューベルトのあの混沌さも良いしなあ。なんでシューベルトはあんなに美しい
歌曲をたくさん作ったのだろうか?