横浜バレエフェスティバル AT 県民ホール

横浜バレエフェスティバル AT 県民ホール
公式サイトはここ
https://shiver.jp/yokohamaballetfes2023/

なんというか、貫禄さえ出てきたフェスティバルになってきた感があります。
初めの数回は連続で見ておりましたが
自分自身「コロナ」で劇場から足が離れてしまい、本当に久しぶりです。

もう本当に、今回は、どんな驚きを感じられるのだろうか?
私はバレエから離れてしまうのだろうか?という
不思議な感覚を持ちながら、劇場に向かったのです。
絶対に、メンバーは良い、いいに決まっているのだが、
それを本当に自分の今後の試金石の公演のつもりで出かけました。

その結果は、大成功。
本当に素晴らしい踊りが続きました。確かに少し発表会的なところがあり、お行儀の悪い観客もいましたが、
昔の私でしたら、切れてましたが、今回は踊りの良さが圧倒しました。
そのくらいに体が震えました。

まず
第一部 フレッシャーズガラ。
まあこのフェスティバルに出るために勝ち残ったダンサーたちです。
結果的になんですが、女の子の踊りばかり見ているな、と途中で気が付きました。確かに
女このレベルは段違いに上がっているのですが、男性ダンサーの迫力でバレエにはまった私からすると(ジョルジュ・ドン、
ミハイル・バリシニコフ)なにか「あれっ」というものを感じたものです。
確かに世間体は、よくないかもしれない。ダンスやっていると後ろ指さされるかもしれないですが、やはり
男の子にダンスをやっていてもらいたい、と切に願う今日この頃です。
オープニングが、本日のメインで踊る、一シーンを走馬灯のように照らす感じで、すごくきれいな入り方をしました。
これはたまらなかった。素晴らしい。
そして「間」がない演出のために
怒涛の如く進んでいく。これも地味なようで素晴らしい演出だと思いました。
「グラズノススウィート」
グラズノスの曲に振付をつけたものだと思ってましたが、全曲追えなかった。ただ振付は
きれいな古典のバレエの一シーンともいえるし、バランシン的な感じもしたし、それが遠藤さんの振り付けなんだな、と思った次第。
ダンサーは一人目立つ人がいましたが、ベテランが一人入っていましたね。これも後から知った情報です。
ここで感じたのは、若いと、踊ることに精いっぱいで、たぶんこんな感情を思いながらと言われていたのだろう、しぐさが入っているけど、
音楽に乗れていない、自分のぺーしではない踊りは仕方ないかな、ということでした。
ただ先は開けている子たちだなあ、と思う。

「海賊」
この辺りは、今回のフェスティバルの進行が頭に入っていなくて不意を打たれた感じ。
あまり記憶にない

「眠れる森の美女」ここまでっと何が違うのと言われると、ソロをもらえているんだなあ、という感じ。
でも
このフェスティバルの初期に通ってましたが、そのころよりも数段にうまい子が集まっている。

「くるみ割り」
もともと金平糖だから、無難な路線で、新人だから、普通に流してしまった。

「白鳥」
このダンサーは少し、目立つところがあったと思う。黒鳥やらせてもらっている点でも、何か光るところがあった。
これは確か。
エスメラルダ」
エスメラルダは良いですよね。その個人的な趣味でもこのダンサーの踊りは良かったと思う。エスメラルダってタンバリンが難しいところがあるけど、
きちりと合わせてきました。きれいでした。

アルチュール・ランボーの永遠より」
見ているときはすごく書きたい感想があったけど、想像以上にきれいな終わり方をしたな、「グラズノススウィート」と対極にあるもので第一部締めたな、という感想しか今は思い出せません

2部
「タリスマン」
もうここから、別格という感じで、すごくきれいでした。
実はこのダンサーたち知らなかったのですが、本当にきれいにまとめておりましたし、
実はここまで男性ダンサーが出ていないので、すごく、先ほども書いた胸のつかえが降りた気がしました。もう解放された感充満。
踊りは最高です。

「Jinen」
まあ、なんとでも書けるなあ、と思いながら、
一人精神の彷徨を踊りにすると(そういうコメントないですが、そう思ってみていただけで、、、汗)こんな振付になるよな、というのが実感。

「ジゼル」
これは私個人的には目玉でした。
すごく久しぶりに見る小野さんは、まだ劣化していないな、と思うし、これからどう変わって円熟味を増していくのだろう、という視点でばかり見ておりました。
しかしそう思うことも、以前からの踊りと変わらない輝きがあったからで、福岡さんがパートナーなので、この演目が無難だろうな、と思う次第。

3部
「ライモンダ」
振付がタマラロホ、というとロイヤル時代を思い出してしまいますね。
この二人もうまかった。というか、ガラって
昔の、NBS系の 何とかの仲間たち、とか世界バレエフェス、くらいですと、手抜きの踊りってあるわけで、
それが今回は日本人の気質なのか、全くないという感想を持つにいたりました。
こんなに日本人ってバレエうまかったっけ?とさえ感じました。これ、今回のフェスティバル、ずっと感じていたことです。

「マイヨーの踊り」
題名書いても、こちらの方がピンとくるんで。
私はモンテカルロバレエ団、好きなんで、ひいき目に見てしまいますが、ひとりで孤高の踊りを見せてくれる、現役の
モンテカルロバレエ団の一員であるミモザさん、というだけで
もうすでに感想です。バンドネオンとパーカッション良かった。テープですけど。

「No man‘s Land」
リアム・スカーレットということで、いろいろな意味があると思われるかもしれませんが
すごく良かったです。コジョカルたちも選んだんですよね。彼の作品。
想像以上に嫌われていないのではないかな、と思うし、よくぞ、日本初演で選んでくれたと思います。ブラボー。
個人的には最後、女性ダンサー、ひとりだけ、残されるという意味が、それも「トン」という感じで残される、のが「うん?」
と思うけど。。。。

「リーズの結婚」
今年ハンブルグでの凱旋来日だけあって、対極の演目をわざと選んだ感満載。
しかし、
グランパのソロのところで二山君面目躍如という感じでしたが菅井円加、おいしいところすべて持って行った感あり。しかし
さすがという感じ。きれいに終わりました。
「リーズの結婚のGPDD」でフェスの演目締めるところは憎いですよ。そしてそれにこたえるダンサー。
身ごたえ十分です。

フィナーレも、てんこ盛りで各ダンサーが
自分の踊りを広げながらも
どんどん今回のダンスチームになっていく様、最高でした。

すごく余韻の残る、グランドフィナーレ。でした。よかったなあ。
という感想。