「バナナの花は食べられる」範宙遊泳  AT KAAT

「バナナの花は食べられる」範宙遊泳  AT KAAT
公式サイトはここ
https://www.kaat.jp/d/banana

KAATの中スタジオっていろいろなことができる空間なので
楽しみでした。実際にこじんまりしていて、見やすい空間でした。

まずは感想。
まじめに取り組んでいるなあ、ということ。そして帰り道に考えたことは
もしかして若い人たちって、まじめに取り組んでいる人は今結果を出せて、その反面
結果をさせない人にばかり目が行っているのかもしれない、ということでした。
そして、私たち、年寄組は、自分の時代のことばかりノスタルジー的に語ってばかりで
実は自分の成長をしなかったのではないかなあ、という反省でした。これは芝居の内容と関係ないのですが、
このまじめに取り組んでいないというか落ちこぼれた30代がメインの話です。
はっきり「30以上、30歳オーバー」というくくりにすごく違和感を覚えたのですが
本人たちの叫びだと考えました。
個人的には50歳とか60歳に大きな節目の世代がいるような感じがするのですが、
体感的には30歳半ばにかかるときに、落ちこぼれ感が半端なく大きくなるのかな?と思いました。

あとはトリックスターを男に一人作ると、その男を中心に出てくる女がすべて空回りする。
それでセリフ的に
今更、そんなことうぃう?というセリフを主人公の死の後言わせるのですが
いやーだから、トリックスターなんだよなあ、と思ったものです。
そのトリックスター
人の死を読むことができ、その死の期限に向けて
出来事が起きて、
最終的に、SNSとかその出現以前には出会うことがなかった人たちの出会い、と
そのことで物語の基本的な動きのパワーが生まれているのですが、家族の話に落ち着く、ということも
すごくしっくりとくる内容でした。ですから、実は
簡単な話であり、基本的な話の構造はまったく今までと変わらないと言い切ることはできると思います。

ただ、30代のリアル、という感じでは
すごく興味がわいた舞台でした。
主役の人の目、まじめなカーテンコールでの態度には感心させられました。

SNSの出会い系ってさくら
ばかりなんですかねえ?それだけは分からなかった。そういう主張も含まれていると思いますが、
そこは、そうなんだなあ、と思うだけでした。