BBL Bプロ AT 東京文化会館

BBL Bプロ AT 東京文化会館
公式サイトはここ
http://www.nbs.or.jp/stages/1303_bejart/program.html
「ライトの物語」という感じでした。それとも「愛のテーマ」でしょうか。
とにかく
世代、地域、時間を超えて普遍なもの、あとに引き継がれるものを
コンパクトにまとめて「愛のテーマ」にしたような感じがいたしました。
最後に「7つの色」が性転換をしたかのように染まって踊るシーンはとても印象
的でした。男女の性別さえも偶然性、
そして役割分担も時代によって変わる、場所によって持っている歴史から変わる
というような感じがいたしました。この物語を読んでいる「女」はあとから、こ
の「ライトの物語」を追体験したのでしょうが、彼女も同じような人生を送る可
能性を示唆していると思います。
「ライトの物語」のなかで、途中「愛のデュエット」という感じのライトと聖フ
ランチェスコの踊りがあるのですが、ここはとてもきれいでした。ですからこの
愛は純愛なんですね。この純愛は神話のごとく、「ライトの物語」の中で位置付
けられて、彼女の運命を解き明かすキーワードになっているかのごとくでした。
この物語を読んでいる「女」はここに共鳴したでしょうね。かくいう私も共鳴し
ました。この「女」も時代を経て何らかのDNAの連鎖のもと現在に至っている
のでしょうから。。。
私も同じです。そのDNAの連鎖は必然なのか、偶然なのか?
ふと疑問に思いました。「生きているって、偶然であり、必然なんだよなあ」と。
同じく、ライトも次世代にそのDNAを引き継ぎます。
この同じような営みが世界中で同時進行しているのです。その中で移動あり、出
会いあり、別れありで現在の今の瞬間があるわけで。。。。
そんな感じのする、走馬灯のようなバレエでした。
しかし、ベジャールにヴィヴァルディはおちょくられているかのような感じで
彼のコンチェルトになると踊りがユーモラスになってしまう。まさにヴェネツィ
アの富裕層をからかっているかのように。
このように場面においてかなり、皮肉も入っておりますが
ライトの誕生の瞬間の輝かしさは
DNAとして、彼女の「愛のテーマ」を導き、そしてライトもまた
新しい世代に彼女の受け継いだDNAをつないだ、という感じのまわる世界観が
とても印象的でした。
そして、、、、、といつまでも印象、いや私のとらえた印象を、書き続けている
ような感想になりますのでこの辺で終わりにさせていただきます。なんと言うか
余韻が長く残る、いろいろと考える空白が多い舞台でした。