シンデレラ AT 新国立劇場
特設サイトはここ
http://www.nntt.jac.go.jp/12cinderella/
先日の言葉通り、日本人の最高レベルの
バレエに近づきつつあるのをまざまざと実感しました。
バレエ団について言うとすれば
踊りが、一つ一つ丁寧過ぎて
かたい印象を受けるのでその点を直したら
リラックスして、観ていても楽しいものになるでしょうということ。
しかし、笑いの要素も、「シルヴィア」あたりからふんだんにはいっていて
今回も義理の姉は当然、道化たちも楽しませてくれました。
さらに、福岡さん、観た目、いつもと違い、ふっくら感があったのが心配です。
まさにそのくらい。福岡さんに関しては客演で映えるようにするにはもっと極端
な動作が必要でしょう。
これだけで文句のつけようがないバレエだったと思います。小野さんに関しては
まさに適役。と言う私もまだ2回目ですが「シルヴィア」よりもあっていたと思
います。仙女の本島さん、はじめ誰だか分らなかったのですが、いい味出してお
ります。
良い味と言えば、四季の精とペアになる四人の男性コールドもとても良かった。
ですから、コールド、キャラダン(今回は別にして)あたりから底上げが出来て
いて、
今回のように主役が小野さんと言うことで決まってくると、これが日本人のバレ
エと言うところまで行くと思います。もう少しです。
しかしこの日は
こんなに、日本人最高レベルのバレエを観られると思ったのですが
プロコフィエフの音楽を金管が壊しました。出来ないわけない。
一昨日の都響があれだけの演奏をしたからには、出来ないわけはない。
そして、このバレエの音楽において金管の役目がいかに重要か、
さらには弦がしっかりと盛り上げたところに、金管がかぶさってプロコフィエフ
の「シンデレラ」は成立するのですから、このミスは致命傷です。これがなけれ
ば
かなりの出来の舞台だったと思います。
アシュトンの振り付けの作りこみも改めて、出来上がっているなあ、と思うし、
あのコールのの美しさは半端ない、ので、すごくもったいない感じはします。ア
シュトンもここまでイメージして振付したのかと思うほどのコールドの出来栄え
だったと思います。
昔から使っている舞台装置なので、作りこみも良いし、照明もとてもきれいです
し
ホールの中に入ったら、クリスマスの気分にさせてくれるなんてのもすごく良い。
頑張っているなあ、というのが素直な実感です。休憩時間に見かけた若い子たち
は素直で
それも良かった。変にすれたオペラの客よりよっぽど良かったです。
たぶんオケの音は変わらないと思いますが、観るべき舞台と言えると思います。
いや、劇場全体の雰囲気を含めて味わうべきと言うべきかもしれません。