マニュエル・ルグリの新しき世界 AT ゆうぽうと

マニュエル・ルグリの新しき世界 AT ゆうぽうと
公式サイトはここ
http://www.nbs.or.jp/stages/1304_legris/index.html
まずは景気回復したのか?モードで観客がたくさん入っておりました。
ひさしぶりです。
ゆうぽうと、とは言え昨年のシムキンやコジョカルのガラでもここまではいって
いなかった記憶があります。
公演で感じたのは
録音テープなのですが、たまにPAが強く作用して低音が強かったり、音の定位が
後ろの方であったりして
少し落ち着かない感じがありました。
あと生演奏のピアノ、あれは録音でも良かった。冷や汗かきました。
あとは、演目の順番を観ていただけると
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/1304-legris/iii-2.html#001714
わかると思いますが
ド・バナとノイマイヤーの振付の比較みたいになってしまうのでド・バナはかな
り不利な立場におかれたと思います。しかし最後の「ルートヴィヒ2世・白鳥の
王」あたりの振り付けは良かった。
ルートヴィヒとたぶん、エリザベートの間に入り込む気持ちの「間」のような存
在が、ちょうど、相手との関係性における、自己と他者の「間」のような感じで
さらに、その「間」をうまく把握認識できない、ないしは混同するということで
ルートヴィヒの狂気が出ていたと思います。彼は誰と踊っているのだろうか?
「相手か?それとも、たんなる、相手のと関係性における、関係をさまよってい
るだけなのか」そんな感じの振付でした。また、この「間」のような存在を
ニーナ・ポラコワが踊ったのですが、エロい。いやー参った。ちょっと
踊り以外のことも考えてしまったかもしれない。
この演目は良かったです。あと「赤い涙」もそんなに悪くなかった。彼の振り付
けはパターン化されているので飽きてしまうのです。それでも、この演目には何
かはあったと思います。
さてとノイマイヤー。こうやって観ていると彼の振付の素晴らしさは随所に見ら
れます。なんというかストーリーが踊りの中に内在されているというか、すごく
わかりやすい。そして踊りとしても見どころ満載というすぐれものでした。
「スプリング・アンド・フォール」のコンテンポラリーとしての詩情はとてもよ
かったし、東京バレエ団も魅せてくれました。
「バッハ組曲」も、これは良かった、もっともっと、観ていたかった、そんな思
いを引きずる作品でした。
他の作品に関しては
予定外の「こうもり」が作品のエッセンスをコンパクトにしていたので
すごく面白かったです。ルグリ、全く現役だなあ、と思わせてくれましたので、
逆に後半のルートヴィヒ
を楽しみに待っていたくらいです。結局、ルグリが前後半のトリで公演を締めて、
ハンブルグのダンサーがメインと考えるとわかりやすかった。ポラコワとヤコブ
レワは頑張っておりました。チェリェヴィチコも意外と良かったですよ。
総論
踊りをもっと踊っていたい、というパッションを感じ
観客も貪欲に観ていたというような公演でした。小粒だけどピリッと光っている
ような感じかな。