ジゼル AT 新国立劇場

ジゼル AT 新国立劇場
公式サイトはここ
http://www.atre.jp/13giselle/
ひさしぶりに観たい外国人ゲストです。
それも昨年のコジョカルガラで紹介されるまで
知らなかったペアです。
まずはオーケストラの演奏。
これ、来日系のバレエ団も含めて、日本のオーケストラが
オーケストラピットに入った時の演奏では最高に「ジゼル」の世界が表現できて
いたと思います。
「ジゼル」の音楽を聞きに出かけても十分に元が取れると思う。
井田さんは確かにバレエの公演で良く指揮をしてくれているのですが
今回の指揮には参りました。
いやーーロマンチックでしたよ。音はそれなりですが、指揮についていったので
良かったと思います。
あと、感じたのは
ジゼルは踊る人を選ぶなあということ。誰でもバレエダンサーなら踊って良い
という役ではないと改めて実感しました。今回日本人ダンサーの回は出かけない
のですが
どんな雰囲気に仕上がっているのでしょうかねえ?
ジゼルはスターでなければだめです。それで可憐でなければならない。本当に難
しい役だと思います。
今回のクリメントヴァは昔は良かっただろう、というモードですが、そこそこ良
かったです。ジゼルには可憐さが必要だなあ、それと存在の薄さ、
感情の激しさ、など踊り以外にこれらを表現できなければだめなんです。
昨日のジゼルは
そんなに狂わない、そして、そんなに精霊の感じでもない
人間の恋の延長みたいな感じがしました。たぶん、これはビントレー監督の趣味
でしょう。彼は人間がベースにあるんでしょうねえ。そんな感じを強く受けまし
た。
対してアルブレビトのムンタギロフは、存在感バッチリ。かっこ良いというもの
ではありませんでした。もうスターになっていくんでしょうねえ、というオーラ
が出てました。一つ一つ、またかっこよく決めるんですよ。これは日本人男性ダ
ンサーに見習ってもらいたい。いや、アルブレビトあんなにかっこよく決められ
たらたまりません。
恋の情感とすると「初々しいよねえ」という感じ。まあそれでいいんじゃないの。
そして
ミルタ。堀口さんということらしい。顔で判断できなかった。
彼女はこの二人に混ざって、うまかったですよ。ミルタでがくっと落ちると
やはり、という感が出てきてしまいますが、良かった。また、2幕のコールドは
とても良かったです。
しかし、あとでキャスト表をみたら
ジゼル役の米沢さんが村人役で踊っていたんですねえ。確かにうまいなあと観て
いたんですが、顔を追わなかったなあ。普通、村人は顔を追わないでしょう、う
ん。有名なバレエ団ならともかくも。。。。
全体とすると
ほんわかした雰囲気の、ちょっとお遊戯ぽい雰囲気ですが
踊りは締まっている、そして演奏もロマンティックという舞台でした。いま日本
で観られるジゼルでは
トップクラスなんではないでしょうか?
確かに過去の名演はたくさんあるんで、最高という言葉は安易ですが
現状を考えれば
ベストでしょう。来ない人もいるし、来ても日本の帯同オケが今回ほどでなかっ
たり
コールドが乱れたり、いろいろとあるので、総合的には良いと思います。
でもちょっと話がわかりにくかった。何かストーリーの進み具合が普通と違って
いた。「ジゼル」は予習しないからねえ。当たり前すぎて。