マノンレスコー  AT 新国立劇場

マノンレスコー  AT 新国立劇場
公式サイトはここ
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150309_003712.html
前回全面中止、無期限延期でしたが
同じメンバーをほぼ揃え開催するということはすごい努力を感じます。ですから
この時期までできなかったのでしょう。
次の「ばらの騎士」は選択的払い戻しでしたね。たまたまかどうかわかりませんが、今シーズンも
同じ演目があります。
さてと、昨日の感想。どんな感じでまとまるか自分でも不安です。
結論は、すごく良かったということ。みんなまじめに真剣に頑張っていたということです。
またこのオペラの良さである、
常にきれいな音楽が流れているということが実践されていたことは深い感銘を覚えました。
この「マノンレスコー」というオペラは
すごく難しいオペラだと思うのです。
次の作品から(「ラ・ボエーム」)からと一線を画している、雰囲気が形成されるのです。
ですからプッチーニということで来場された方は退屈だったかもしれない。実際
会場は座席でよく物が落ちていたので
退屈(寝落ち)だったのでしょう。
有名なアリアというよりも
全体の流れがきれいな音楽ですよね。本当に指揮者はこのオペラの良さである音をきれいに出し入れして
うまくこのオペラの良さを舞台に持っていきました。また舞台がそれに応えていたからねえ。
実際論として
この後の「ラ・ボエーム」以降のオペラからするとアリアの力よりも
管弦の音の力の方が強いのです。だからこそ、この音が決まると物語の進行にもノンストップ感はあると思います。それが
実現していたということが一番大きい。
さてと、
演出について
1幕2幕と白を基調としていて、少し隔世の感(あの世の感じと言うべきか)があり
何か違う世界での出来事のように感じるようにできていると思う。初めはマノンの「バージン性」と
考えたのですが、違うと思う。やはりマノンは修道院に行くべきだったんだよなと思った。しかし
行かなかった。ぜいたくな暮らしにあこがれ、そこでも愛を求めた。だから夢の世界かなと。
その空間ではモーツァルトの音楽が流れてくるような世界を感じさせてくれました。
ロココ調というのもあると思うけど、この時代の恋愛形式を懐古するという感じなんでしょうかね。
とにかくプッチーニのほかのオペラ、例えば「西部の娘」の雰囲気も1幕なんか若干するんですよね。
何かこの辺がうまく、ミックスされた感じがして恋愛、フィガロ形式、いや西部の娘形式なのかなと思いました。
(冗談ですよ)。まあとにかく作りこまれたなというのが率直な感想です。
さらに
1幕は特に合唱隊を中心に大勢の群衆が出てくるけど
その中からさまざまな方面から、まさに
いろいろなところから聞こえてくる歌がすごくきれいな入り方でした。

色のついての再考
この「白」という色をどういう意味で多用したのか?
少なくても
2幕までは「晴れ」のシーンですから
3幕目の暗いシーン
4幕目の岩肌との対比なんでしょうかね。
確かに1幕目よりも2幕目の方が「白」は強調されていた。
「愛」の色なんでしょうかね?(これはフィガロ的な愛と私は解釈いたします)それとも「穢れ」ていないという意味なんでしょうかね?
(これはバージン性と解釈いたします)さらには夢の世界、これが一番しっくりくるかな。

(続く)