リゴレット AT 新国立劇場

リゴレット AT 新国立劇場
公式サイトはここ
http://www.atre.jp/13rigoletto/
まず、思ったのは、私の従来持っていた「リゴレット」のイメージ
と全く異質であるということでした。
なんというかストーリー重視の「リゴレット」でした。
そしてそのストーリーも
マントヴァと、彼に対するジルダの愛がかなり重視されていたように思います。
ピュアラヴストーリーになってしまっていた。
確かに、話は
そこがポイントですが
私の「リゴレット」はバリトンの低音に沿って
弦がうなる、そんな低音支配的な、のりのりの「リゴレット」です。
結局、私はこのオペラを
ひとつの音楽ととらえていたんだなあ、というのは実感しました。
しかし、そのとらえ方で
十分満足していたんです。
その満足感は昨日はなかった。
どちらかというとテノール、ソプラノ、高音のオケ(澄んだ音というべきか)と
いう印象でした。
もっと「リゴレット」が存在感があり、
低音の悪、ないしは、ぞくぞくするような違和感のある、異端者的存在であって
ほしかった。
これが基本的な
考え方の相違で、ここからの評価もこれに依存するようになります。
まずは舞台セット。あれでは
初めてみた人は、これが「リゴレット」だと思ってしまうのではないか?という
感じの
現代版です。「ナブッコ」の時もそうですが、最近
受けるというかとっつきやすいのかもしれませんが、なにか考えさせられる舞台
装置が続いております。
舞台演出などはそこそこで音楽をしっかりとまとめてほしい、と思います。
あれで行くと
マントヴァは侯爵ではなく、街のチンピラなのではないか?と
思います。だからちょっとしたラヴストーリーメインのオペラになってしまうの
です。
ここでこのオペラはなぜ、せむしの男を主人公にしたのか?を考えるべきで
社会の権力に対する抵抗とその挫折を描いたのではないのでしょうか?そしてそ
れも潰える、
という点で大衆に説得力があったのではないでしょうか?
まあ、ポップな舞台も悪くはないですがね。
あと、
歌手は
確実にマントヴァにすべて持っていかれて
最後の方でもマントヴァとマッダレーナにリゴレットとジルダは主役を持って行
かれた感があります。
それはやはり、だめです。
そんな感じですかな。
あと余談ですが
昨日新宿をあれこれ行ったり来たりしていたのですが
リゴレットのヴラトーニャさんを見かけましたが優しい雰囲気の方でした。また
会場からかなり離れたところでジルダ役のゴルシュノバさんを見かけたのですが
彼女はオーラがあった。当然、相手はプライベートなのでサインなんて求めてお
りません。
そういえば彼女は役が違えば、かなりいい味が出るソプラノだと思いました。丁
寧なんですがジルダって、純愛すぎてもっとエキセントリックな方が好みですね。
最後に
会場もすごく気に入った人と
そうでもない人に大きく分かれたみたいです。私は後者。基本スタンスが違うか
らねえ。