カプレーティ家とモンテッキ家 AT 新国立劇場

カプレーティ家とモンテッキ家 AT 新国立劇場
公式サイトはここ
https://www.jof.or.jp/performance/1609_capmon/
この週末
藤原歌劇団二期会が被るんですねえ。
まあ二期会が来週末もあるので問題なしなんでしょう。
しかし、それでなくても少ないパイの取り合いはやめた方が無難ではないかなあ、と思います。
しかも会場はかなりご年配の方が増えているので、今後どうなるのか?と思います。
どうしても、年を取ると余計な音をたてる人がいる。
本日も、いたるところで、いろいろな音が出ておりました。

さて、それで、藤原歌劇団の方の感想。
ベッリーニのこのオペラ、実際に上演されているのを聞くのは初めてです。
ソプラノとメッゾの女性二人のロメジュリ
その効果はラストシーンの「墓場」で効果発揮。
やはり、ジュリエットが起き上がり
ロメオと再会するのは
すごくわかりやすい。
このシーンでの
二人はとてもロマンチックでした。
ロメオは自分の「毒」を飲んだことをすぐに後悔し
ジュリエットは幸せ満々。それを壊すところから
最後の二人の時の共有が始まる。(ほんの瞬間輝くだけですが)
ここに至るまで
ロメオがティボルトを殺すシーンは
もどきですが
歌の葛藤があり
メッゾとテノールの戦いがある感じです。
マキューシオは出てこない。
同様にパリスも。
ジュリエットは徹頭徹尾
ロメオを愛する
純な女性です。
その女性ソプラノが愛する相手はメッゾソプラノで
男装も凛々しいという感じ。
なんで
最後のクライマックスを
メッゾとソプラノにしたのか?は
舞台を見ればわかると思います。
そして
メッゾがテノールと戦うのですから、
見ている側は
二人のソプラノに加担するわけです。
しかも、舞台上は
合唱隊のほとんどが男性コーラス。
目立つという簡単なものではない。これ以上目立つ効果はないでしょう。

そう、
ソプラノの女性の声を(メッゾも含む)すごく大事にしている。
どうしても
活躍するのを2人にしたかったのでしょう。
そうしないとバランスが悪い。
しかし恋愛が
女性歌手同士というのも
おかしいのですが
時代的に女性をどうしても
描かなければならなくなっていたのか?と思います。

しかも
ベッリーニの旋律もとてもきれいで
ジュリエットのシーンなんて、ほとんどが
夢のような音楽がつけられていた。
ということは
メッゾソプラノには
社会で活躍してもらわなければならないわけで
ここにも女性の可能性を描いていたと思います。

歌手は
テノールの笛田さん
ソプラノの高橋さん
メッゾの向野さん
バリトンの安東さん
バスの東原さんみんなよかった。
笑い話なんですが、ここまで書いていて
舞台上に、ベッリーニは単に、この5人の歌手の声を揃えたかっただけかも、と思った次第です。
そんなわけはないか。笑

しかし、演出も
すごくオーソドックスで何ら違和感がない良質なるものでしたし
美術も簡素化はされているが
十分説得性はある。
見ごたえは十分です。