ローエングリン  AT 新国立劇場

ローエングリン  AT 新国立劇場
公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006154.html

やはり、シュテークマンの演出を褒めないわけにはいかないと思う。
最初はあまり好きではなかったが
なんというか、ワーグナーの合唱の畳みかける構成に素直に
声が伸びるように
配置したり、
ストーリーが分かりやすい。
わかりやすく、音楽の繊細さ、ダイナミックさをともに感じることができるので
本当に
素晴らしい舞台になっていると思う。
何回聞いても、観ても
5時間が長くはない。
これはワーグナーがご都合主義的に
都合よく話を構成しているためでもあるのだが
それを
うまく利用して、素直に乗っかっている気がしてならない。
この素直な流れと言うのが
聞いていて飽きない最大の理由でしょう。

そういえば
あと
フォークトの存在も大きいかもしれない。
前回の新国立劇場の「ローエングリン」の前に「バイエルン」の「ローエングリン」を
聞いていたのだが、これも同じような感想。演出がどうのと言うよりもワーグナーの音楽が好きなんでしょう。
そう
私の好みのオペラなのかもしれない。

また、この前後の期間に
芸術監督の飯守さんが読売を指揮した「ニュルンベルクのマイスタージンガー」との出会い

今の私の、この芸術監督のワーグナー(飯守指揮のワーグナー)で満足するきっかけを作ってくれた。

こんな縁があり、
今回に至るのですが、その間に飯守さんが芸術監督になり、ワーグナー作品をすべて指揮するという
今までの芸術監督に全くなかった個性を発揮してくれて
だんだん劇場の個性が出てきたと思う。
このまま進化してほしい。

ただ、たまたま前回の「ローエングリン」も同じ年に
ウィーンスターツオパーが重なっていたのだが、
同じ指揮者で新国立劇場ローエングリン」スターツオパー「フィガロ」と聞いたとき
フィガロ」の衝撃はなかった。同じ指揮者でもオケが違うとこんなに音が違うのか?と思った次第。
その程度の感想も付け加えておきます。
今年もなぜか重なっているんだよね。

スターツオパーは「フィガロ」が指揮者の関係で一番人気らしい。

横道にそれましたが、もう2度と見ることができない予感を感じさせる今回の「ローエングリン」の体験でした。
本当に素晴らしい。ありがとう。