シモン・ボッカネグラ AT 東京文化会館

シモン・ボッカネグラ AT 東京文化会館
公式サイトはここ
http://roma2014.jp/simon.html
まあ、期待以上、期待通りという感じでした。
期待を上回ったのは
オーケストラの音と舞台の動きのシンクロの良さ。
ソリスト、合唱とオーケストラの音の融合の良さでしょうか。
これはムーティのローマでの成果の果実だと思います。
実際、ローマのオーケストラのメンバー、自分たちがどれほど良い音を出して
臨場感を出しているのか、気が付いていないかのようなオケピでの
観光気分の方々でした。実際に演奏会ではそれほどのオーケストラではないのか
もしれないと思います。
しかしオペラは演奏よりもいかに舞台を総合的に盛り上げるか、観客を感動させ
るかで良し悪しは決まります。その面では
予想以上の出来でした。
舞台上の各メンバーの動きも演出のエイドリアン・ノーブルのなせる技でしょう。
動きが制限されるオペラ(動くと歌唱にも影響するから)のなかで、必要な動作
のエッセンスを抽出して象徴的にうまく動かせることで
このストーリーを雄弁に語っておりました。また衣装は実際に見るときれいでし
たね。
また舞台の美術装置もオーソドックスですがきれいで
これがオペラという感じでした。
ソリストは代役は
テノールはまあまあ、代役合格。現地でこの役やっておりますからねえ。
ソプラノは、現地でのこの役をこなしたのか?と思うほどに不安定でした。たぶ
ムーティはこの声の押しだけで、この役は十分と思っているのでしょう。しか

立ち姿は現地でのファーストキャストよりもとてもとても見栄えがするので
舞台として見るととてもきれいで満足するものに仕上がっております。
そう、このキャラクターに各ソリストがマッチしているという点はとても
良かったと思います。
問題はシモンの役ぺテアン(バリトン)現地での声が出ていなかった。あのとき
圧倒的な存在感があったのに、惜しい。しかし、それでも会場の拍手は大きかっ
たですけどね。
あとは現地での出来そのもので
こういうのが、引っ越し公演というのだよなあ、と思いました。
かなりナブッコチームも会場にいたと思います。そういう意味では雰囲気のある
会場でした。一応「大入り」でしたし。
最後に合唱が群衆の役で広場でのシーンは音が小さい、しかし舞台に出ていると
俄然盛り上がるというのは演出上とても効果的ですが、少しもったいない気もし
ました。このもったいないと思わせる気持ちを持たせることがぜいたく感なんで
しょう。
そんなこんなで、とても満足のいく内容でした。安くないお金払うのでこの水準
を来日する公演は維持してほしい。
なお、
帰り、上野は楽だと実感した次第です。