「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」の泣き所?観客を観察しての感想。

ラ・トラヴィアータ(椿姫)」の泣き所?観客を観察しての感想。
2回、このオペラを続けて観に行って
いままで経験したことがないのですが
隣に座った方が、号泣していたのです。
当然2日間とも違う方です。
初日の方は
年は40代と思われる女性の方。彼女の泣き方は半端ではなかった。
このオペラ見る度にこんなに泣くのか?と思うほどに涙が止まらなかったみたい
です。
もちろんソプラノの良さもあったのでしょうが、泣くのを(感動するのを、ない
しは自分に重ねるのを)やめてくださいとはさすがに言えません。
しかしティッシュ―のガサガサする音や鼻水の音があんなに鑑賞を妨げるものと
はしりませんでした。
ここで
面白いことがあるのです。
この2人に泣く、涙が止まらなくなるつぼが違うということを発見したのです。
初日の女性は
第3幕、自己犠牲に近い死に方をしていくところあたりと
アルフレードがまた気持ちが戻っていくところ、この辺の時間のあや、父親まで
理解してくるところあたりで号泣でした。確かにソプラノ、うまかったと思いま
すが、いやーすごい泣き方でした。
日曜日の方は
男性。というよりも少し女性のテイストが入った、性別は男性というべき方でしょ
うか。
この方は
第2幕から大変でした。いやゆるジェルモンが来て別れてくれ、と言い、
理解して自分から身を引くと言うあたりで涙腺が壊れました。
この方も、やはり涙は音が出るのか、バックをごそごそしてうるさかったもので
す。
まあそういうオペラだと思って諦めておりますが。
ここで面白いのは
お互いに
逆のところではあまり涙は出ないのです。女性の方は第2幕ではそれほどでした。
男性も
この分だと第3幕号泣だろうなあと思って覚悟したんですが、それほどではなかっ
た。
この違いわかります?
あとで考えて、良くわかりました。
仕事上、人間の感情は最前線で接していると思うのですが
男性の方は自分から身を引くと言うつつましやかなところにはまるのでしょう。
女性は、恋愛そのもの。悲劇性があるから泣くのでしょう。
まあしかし、オペラの会場で
面白い体験をさせていただきました。
私は
後悔先に立たず、あわれ彼女は娼婦なんですよ。作曲家でさえ
自分の妻として受け入れるのは数年かかったわけでしょう?こちらのほうが、良
くわかる感情です。