キエフバレエ「白鳥」 AT 県民ホール

キエフバレエ「白鳥」 AT 県民ホール
公式サイトはここ
https://www.koransha.com/ballet/kiev_ballet2018/

この公式サイトにミハイロフスキーバレエ、来日公演に「パリの炎」
持ってくるんですね。「眠り」の新しいバージョンというのはどうなんでしょうかね?
意外とどうにでも、長さも作れるからね、「眠り」は。

さてと感想は。
演奏はダイナミック、そして疾走型。ダンスを無視。しかし
心よいするいい音が出ている。さらに音がなめらか。金管も安定。
弦とのバランスも良い。人数は少ないのではないかな?休憩時間、オケピ観に行ったら
椅子が少なかった。だから少ないのではないかと思っただけです。上から観ていないからわからない
ウクライナキエフチャイコフスキーと縁があるのかわかりませんが
自分たちの音楽というような演奏だった。すごく気持ち入っていた、と思います。

まあ音は良かったということです。本日お子様も来ていましたが
他でこれだけの音でバレエが見られることはそんなに滅多にないということは理解しておいた方がよいです。

さてとバレエについて。ネタが豊富すぎて。
一言言うと、「練習風景から、ソリストの決定、振り分け、を経て
練習風景をドキュメンタリーで撮影して、来日風景、移動、舞台裏などを撮影したら、もしかして「白鳥の湖」の
本質がわかるかもしれない」と思っただけの内容があるということ、です。長い表現ですが
振り付けも踊りも、平気で変えて、自分たちの実力に合わせて、かつ
音楽を無視してでも、役も変えても、成り立つ「白鳥の湖」というバレエの本質は何か?ということを考えさせられるということです。
常に、ここは本来はこうだよな、と考えてしまうのです。
そして今目の前にある「白鳥」も成り立っているということは
どういう意味だろうか?と考える余裕をくれる。すごいいろいろと考えましたから。

すごく難しいですが
いろいろと指摘していくときりがないくらい違います。
帰りに、かなりの年配の方が「私初めて白鳥の湖の全幕見たわ」というのを小耳にはさみながら
まあ、キエフの「白鳥」だなあ、と思ってました。でも感動したと言う言葉はあながち嘘ではないんです。

えーと、
小出ししてみると
ポーズの威力というのも感じました。何が言いたいのかというと踊らないでポーズが決まるだけでも、音楽が流れていくので
意味が付与される、という効果を感じました。踊ってない、と言われますが、確かに危ないところとか、
人数とかが足りていないところはそれなりにダンサーを回して、作りあげているところもありました。
そのドタバタぶりが、たぶん裏から見るとすごく面白いのではないかなあ、と思って冒頭のドキュメンタリーが面白そうです、
と言った理由です。
ですから、大きな白鳥、小さな白鳥も、友人たちもキャラダンに出て踊ったりしております。
似ているなあ、と言うのではなく、同じ人が何回も出ている。
一番面白いネタは
「道化」がいないのです、ですから1幕で道化が踊る音楽ではコールドが踊る。しかし明らかに道化の役があっていそうなのに
友人たちの役をやり、さらにキャラダンで「ナポリ」に出ている。そして「道化」まがいにぐるぐる回る。
さすがに友人たちがほかの役はやってはいけないでしょう、と思うけど、あのキャラダンは
私は笑い半分、踊り半分で、最高に楽しい時間でした。

そうすると4幕に至っては
コールドまで明日は休みだわ、モードぽく見えて、そこもおかしくて
単とも楽しい「白鳥」でした。
本当に帰って楽しかったねえ、という
のも久しぶりですし、終わって、細かいことはいろいろあるけど
楽しかったね、いい時間を過ごせた、と思える公演が最高でしょう、と
教えられている気がして
たまらなくおかしかったです。
本当に、知らない人は、この笑いを感じられなかったかもしれない。しかし
いろいろと見ていればいるほど、
今回のバレエは
舞台上最高のエンターテイメントだと思った。それに最高に美しいオーラがあるし。

ダンサーも王子のヴァーニャは写真よりも舞台上では王子キャラ満載でした。
オデットは、カザチェンコ、うまかった。彼女は自分は違うのよ、と思っていたと思う。
あと良かったのは
アナスタシア・グルスカヤ(代役だったんですけど)と
マルガリータ・アリヤナフ、例のナポリのアンドリー・ガブリシキフですかね。

コールドはきれいです。踊りではなく、見た目が。いや踊りに関しては
男の方が頑張っていたと思う。