マーラー第九 バイエルン at サントリーホール

マーラー第九 バイエルン at サントリーホール
公式サイトはここ
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=480
バイエルン放送局の収録が入っておりました。

とにかく、各パートが自分の最高の演奏をする
という形でポリフォニー完成、
最高の名演が生まれていたと思う。
オーケストラの音とはここまで
シンプルに鳴るのか、と感心しました。
最後のピアニッシモ
弦を離しても鳴り続け、その後の静けさ、何とも言い難い瞬間でした。
この瞬間
名演は生まれた。
ヤンソンス自体も満足したかのように
何度も何度もステージに出てくれました。

さてと

第1楽章:死、アルマとマーラー
マーラーの第1楽章。ここを楽しめなければ、来た意味がないという。
「死」というが、なんかロマンティックな雰囲気を持つ。しかしそれが簡単に崩れ去るところがたまらない。
もしかしたら
第4楽章が「死」で、ここは生命の誕生かもしれない。

 


第2楽章:死の舞踏。ヤンソンスのテンポ

 

第3楽章:わざとらしいはちゃめちゃ(英雄の行進のように迫りくる):バイエルンの対応というか演奏
ロンドの中間におけるハープ
最後のプレスト
ここは個人的には
第一楽章で客観的な「死」を描き、第2楽章であの世の死の舞踏の世界を描いた後、第4楽章に至る個人のなかでの精神的
安定のアダージョの前の
狂う寸前の精神的な圧迫を描いていると思うのです。オーケストラのフィニッシュの仕方は
すごい迫力です。


第4楽章:マーラーアダージョ:死の地平
バイエルンヤンソンスの描くマーラーポリフォニー。各ソリストが競い合うように
良い音を奏でていた。そこまで引き出させるヤンソンス

とにかく
IPOとBBLとの「奇跡の競演」以来
マーラーの音楽に接しておりますが
精神の病的なまでの揺らぎ、ととらえていた音楽が
数々の演奏の前に
すこしづつ姿を現してきたという一端の演奏会でした。

私は
これという演奏会にしか
マーラーを聞きにいかないことにした。

そして
私の今回の演奏での解釈
生命の誕生から、生涯を描いて
第4楽章にて安らかなる死を描いたというものです。
となると
私の今までの解釈たる
「死」の第1楽章は生命の誕生の不思議、そしてロマン
「死の舞踏」の第2楽章は、青年期の秩序と反発
「ロンドとして、ハチャメチャな音楽」は現実世界との折り合いがつかない
マーラー自身の精神世界。しかし頑張っている様も表現していると思う。
結果、社会的批判あるいは既成概念との違い、そして錯乱、この繰り返しがロンド。
「死の地平、アダージョ」ここに安らかなる死が表現されていると思いました。
もしかしたらこのようにとらえた方が分かりやすいと思ったし
ヤンソンスの理解もこれに近いのではないかと思った。

最高の公演でした。
ブラヴォー。