家族の基礎 ~大道寺家の人々~ at シアターコクーン

家族の基礎 ~大道寺家の人々~  at シアターコクーン
公式サイトはここ
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/16_kazokunokiso.html

なんというか、懐かしい感じの芝居でした。
どちらかというと、新橋演舞場で上演している世話物と言う感じがしないでもありません。

そのくらい、生活感がある。
その中で、いろいろな逸話が加えられて
芝居仕立てなまでに異常な展開を
するのですが、最後の方では
劇中音楽のごとく
次はどんな展開か
と期待している自分がいました。
しかし最後の晩餐と同じような配列になったからには終わりだよなあ、
と納得した次第です。

ここで音楽について。
オリジナルなのかどうかわかりませんが
基本テーマは
デキシーランドジャズっぽい音楽、
劇中にピアノ一本で
ラグタイム音楽のようで実はミニマルミュージックになっている曲が挿入され
ストーリー展開の補助になっている曲が所々に入ります。
この音楽の時は
ストーリーがダイナミックに展開する予兆。
しかし行きつくところは
家族。
ゆえに、「家族の基礎」というタイトル、という塩梅です。
DNAという言葉も出てくるのですが
家族というのは、夫婦のみは他人でもあとは血がつながっているんですよね。
そこのいろいろな話を描いているだけなんですが、
うまくまとまっております。
役者がうまいせいもありますが、
今年の芝居の中でも
振り返ってみて、かなり評価されるのではないでしょうかね。
そんな実感を観ていて
すごく感じました。
それと舞台が
歌舞伎のように「回り舞台」を使っているので
時の経過、
場面の奥行などをうまく表現できたと思います。
そして、家族の、いろいろなフェーズにおける、いろいろな家の在り方をも
提示してくれました。
結局、最後にみんなが集まったところが
一番の基本の場所なんでしょうけどねえ。

回り舞台のみならず、
舞台のデザインも意外と工夫されていると思ったし、
心地よい、劇空間をコクーンの中に作り切ったなあ、というのが実感です。


役者は、主役の
松重さん、うまかったなあ。こんなにうまい役者だと思わなかった。
奥さん役の鈴木京香さん、きれいだった。
私は個人的には迫力のある、「胸」ばかりに目が行ってしまったんですけど、
彼女も意外とうまかったと思います。初めて演技をみたものですから。
真田丸の「寧々」ではいつも見ているんですけどね。
あとは、六角さんかな。彼は何回も書きますが「善人会議」で30年近く前に
新宿の小劇場で見たのが出会いです。その時はここまで生き残るとは思いもしなかった。
しかしいい味出しております。

そのほかの人もまとめてくれております。これって説明になっていないかもしれない。
あとで見て、あの人がこの人だったのかという人が多数。汗

そんなことで、お後がよろしいようで。意外と穴な、来年、今年の芝居を振り返ってというとき
ピックアップされる芝居ですよ。という言葉を残しておきます。

追加、
会場に、すごくきれいな女優が来ていたんですが
周りの人見もしなかった。
帰り際、百貨店の外でも出会ったなあ。きれいでした。誰とは言わないけど。
この女優に関しては現物きれいだよ、と多分、話題にすると思う。