ローエングリン  AT 新国立劇場

ローエングリン  AT 新国立劇場
公式サイト
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006154.html
確かにロザリエの美術を売りにしているところは今回は感じました。
ホワイエでもそのようなことを紹介しております。
確かにさっぱりとしていて
舞台上余計なものを削ぎ
空間を多くとり、わかりやすく、少し抽象的にはなっていると思います。
このオペラの奇想天外な部分を少し美術的に表現したビジュアル重視と言う感じでとらえると
少しは丁寧な表現かな。
ローエングリンって出自はすごいからなあ。そのローエングリンを囲む世界は
抽象性がふんだんで、確かにおかしくはない。

しかし今回の
この舞台の勝利は「合唱隊」でしょう。
第3幕
奈落からせりあがってくる兵隊には感動さえ致しました。

この合唱も
ソリストがしっかりとしていて初めて目立つ。今回も(前回もかなりメンバーはそろっていた)
しっかりとしてメンバーはそろっております。

とりあえず、この「ローエングリン」で,
このオペラの基本を勉強するというスタンスで十分なものになっていると思う。
いやかなり贅沢な環境だと思う。
S席でさえ27000円。最近ではほかの来日系のオペラやオーケストラとどうしても比較してしまう
貧乏性的な性格が私の中で養われてしまった。

オーケストラは前回と比較して
かなり、音をゆっくりと、1音の表現も丁寧に描いていると思う。どちらかと言うと
前回の方が、このオペラのダイナミズムは感じられたと思うのだが、
いま新国立劇場は、飯守芸術監督にワーグナーを一任しているので
これはこれで十分に誇るべき内容となっている。(ファンファーレの音を外すとか細かいことは言わないで置く)

そして今回はっきり言えるのは
国内のオペラ上演の最高峰を提示したということでしょう。

しかるべく外国人ゲスト、適材配置
オーケストラの鍛え方、
合唱との音合わせ、

来るべき時が来たと思います。

あとは、ここの「アイーダ」でもこのくらいの演奏と
トータルの満足感を出してくれれば
5年に一度の祝祭的演目も映えるでしょう。

しかし、本日は3日前よりも良かったと思うし
前回をも上回ったと思う。
前回はフォークト散歩みたいに歩いていたけど
今じゃみんなのスターと言う感じが会場から伝わってくる。

ベタ褒めですが
王は声が悪くなっている。この後の公演声が出ないかも。
エルザは役を自分のものにしている。
オルトルートは影のエース。

こんなところかな