マリインスキーバレエ「ロミオとジュリエット」  AT 東京文化会館

マリインスキーバレエ「ロミオとジュリエット」  AT 東京文化会館
公式サイトはここ
http://www.japanarts.co.jp/mb2015/rj.html

キャスト表はここ
http://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1673
なるほどとうなずけるキャストです。
>マキューシオ(ロミオの友人):アレクサンドル・セルゲーエフ
 ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):ユーリー・スメカロフ
 パリス(ジュリエットの婚約者):コンスタンチン・ズヴェレフ

このラヴロフスキー版プロコフィエフの音楽そのままですね。
王道を行っている。
というよりもプロコフィエフに音楽を頼む際に
このモチーフは
音楽をつけてと言ってから頼んだのかもしれないと思いました。
観ていて気持ちいいくらい音楽に忠実な展開に妙な安心感はあると思います。
また、ダンサーがのびのびと演技している(マイム)。
ですから、本当にシャイクスピアの演劇を音楽劇で観ている気持ちになりました。
何ら余計なものはなく、何ら足りないものはない。
プロコフィエフの音楽に描いてあることはすべて表現されております。
その音楽にインスパイアされたようにはちきれるばかりの舞台。
もう満足。眼福という言葉がぴったりと合う感じです。
また、キャピレット家の舞踏会の夫人たちの美しさと言ったら
何とも言い難いくらいに美しい。
さらにはこれほど両家にカラーがあるのかと思うほどに
キャピレット家とモンタギュー家の家自体のカラーが明確に違っております。
ここは原作にはないと思うのですが
すごくわかりやすかった。
これって振付1940年と言うことなんですが、
戦時中なんですよね。そんな影が衣装のカラフルさにもなかった。
そう衣装も、両家とも個性があり見ている分にもきれいでした。さらには、
それを着ているダンサーもきれいでした。

さてと
主役二人とも当初と変わったこの舞台。
まあ満足のできる舞台でした。
少なくてもプロコフィエフの音楽と舞台の進行がここまで一致するというのを考えていなかったので
その点はすごく気が付いてよかった点です。
また、ジュリエットの踊りの多さも
もともと、女性ダンサーを念頭に作られたものなんだなあ、というのは実感しました。
シリンキナに関しては可憐さはあるんです。また踊りもペルミ出身と思えないほどに
溶け込んでいた。すごくよかったと思います。
スチョーピンはそれに輪をかけて良かった 。踊りがしっかりとしていると思いました。
ただ、
シリンキナはジュリエットにしては少し女性的な体つきかなあ、と思ったし
スチョーピンはロミオ役を持っているということですが
少しひとめぼれするのは弱いかな、と思いました。
あとは
セルゲーエフは予想通り安定。彼はなぜか写真と舞台での存在感の不一致する
のですが素晴らしいダンサーだと思います。写真が何であれなのかなあ??
この後書いていてもきりがないくらいなんですが
一番感じたのはワガノワの基礎を積んだダンサーたちが
好きなバレエを踊っているとこのような空間が出来上がるんだなあというすごく一般的な感想です。
ですから今回マリインスキーバレエ団は自分が思っている以上に若返りをして
予想以上に今回の公演は
「愛の伝説」から、今回の「ロミオとジュリエット」と揃えてきたなあというのが実感です。
とても良い舞台でした。