シュツットガルト・バレエ 「ロミジュリ」 AT 東京文化会館

シュツットガルト・バレエ 「ロミジュリ」 AT 東京文化会館
公式サイトはここ
http://www.nbs.or.jp/stages/2015/stuttgart/romeo.html
キャスト表
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/-2015-1962122.html
初日のキャストに近い
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/topmenu/post-578.html
比較ならフォーゲルたちとでしょう。

しかしなんというか、エンディングの後、カーテンが閉じて
しばらくするまで動けなかった。いけない、拍手しなきゃと思った時にはカーテンコールが始まっておりました。
すべてのドラマを、いやこのドラマのトリックをなぞるように第3幕の最後は進み、
私の中でも、この愛の物語をなぞって思い出しているうちに終わってしまっていた。
気が付いた時は「ぽかんと」している自分がいました。
こんなことあまりないのですが、なんでだろうと思った次第です。
それは、
ロミオはかっこよく、ジュリエットは可憐で、
マキューシオもかっこよく、パリスもいい感じで、ティボルトもそれなりに雰囲気があったので
ツボにはまり込んでしまったのかもしれません。
かつ
クランコの振り付けが
第3幕エンディングにおいて、ほとんど主役二人に振付がなかったし、葬式のシーンあたりから
「芝居」かと思わせる、物語の進みかたをしていたので
物語の中に気持ちが入り込んでしまったのかもしれません。そう、とてもいい舞台でした。

そういえば基本的に「ロミオとジュリエット」は複雑に入り組んだ話でしたねえ。

だけど、最後のジュリエットの気持ちって、どうなんだろうか?と思った時に
少し家と家の争いの中で戸惑っている様子がすごく感じられて、観ているこちらの方に
苦しさを感じさせるのです。
この辺の話の持って行き方が最後の、空虚状態になったことの原因でしょう。

さあ、舞台については
まず,オケは第2幕の冒頭のホルン以外は許せる範囲かと思う。特に打楽器を大きな音でならせていると思ったし、同じく弦も大きく、その辺があいまってすごくドラマティックに響きました。
第1幕の「騎士たちの行進」あたりでの音の高揚感もとてもよかったです。
あと、衣装について、第2幕のカーニバルのシーンにおいてすごく個性を感じました。
振付については
あまり感じることはなかったのですが、冒頭に書きましたように、観ている観客を引き込んだということが
大成功なのでしょう。私個人の意見では「群衆」の作り方がうまいなあというのが一番感じたことです。
この群衆の中に常に主役に関係する人たちがいる。
舞台装置については、バルコニーの設定がちょうど2階のような感じでいて、第3幕において、そのバルコニーに至るまでを葬式の列が通過するという感じですごくうまいなあと思いました。
ダンサーについて。ロミオは適役でしょう。いい感じでした。ジュリエットは最終的に、彼女の死をもって感動したので、同じく適役だったのでしょう。
この愛の物語は主役の二人に、ダンサーとしての経歴よりも、初々しさが求められると思う。それにおいては適役な二人で絶妙のペアリングだったと思います。
ほかにも、
モンダギュー3人トリオ(ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオ)がいい感じで決まっていたので良かった。彼らの3人の踊りは良かったです。
パリスとロミオの相似性は偶然でしょうかねえ。
ここにすごく話のトリックがはまってきておりました。そう、ジュリエットを介する二人の男。その相似性。
これはキャスティングの妙としか言えません。
しかし、そんなことや両家の母親の扱い方などから
どうしても、ドラマ性は強くなるのです。
そしてラスト。
うーーん良い舞台でしたねえ。それしか言えない。
はい