10年ぶりのお客様

10年ぶりのお客様
昨日、10年ぶりに来店されたお客様がいらっしゃいましたが
入ってくるなり「覚えている?」と言われました。
当然、覚えております。
「元気?」と言われて
「おかげさまで」と無難な会話でした。
そして帰り際に「また来るよ」と。

その時に昔のお客様を一気に思い出して
感慨にふけっておりました。

中には、横浜の港で仕事がなくなったからと
故郷の宮古に帰らなければ、と帰っていかれたお客様もいました。
震災の数年前のことです。
雰囲気が港の労働者でしたが、数カ月に一度いらっしゃったときは
よくお話をしておりました。あの方は元気かな?

とか

18年くらい前かな、
開店当初からたまに来てくれたお客様で
よほど、うちの商売の形態が無理だと思っていらっしゃったのか
「まだやっていて、元気そうでよかった」と来るたびに言ってくれた
お客様がいます。
その方も、事業に失敗して、最後、「もう来れないと思うけど、
頑張ってな」と言ってくれたことも思い出します。
そのお客様は先日書いた、暴走族のボスと知り合いで
うちで久しぶりの再会をして、昔話を聞かされました。

また
難病の方がよく来てくれた店で、病気の方々とよくお話もしましたねえ。
そういうとき、
ふと家族の方がいらっしゃることがあり、大体が「亡くなった」という知らせでした。

何が言いたいかというと、
店というのは否が応でも歴史は積むわけで、その歴史には、
いろいろなエピソードが詰まっていて、その重圧に耐えかねるときがあります。

店長制の、フランチャイズ系はこんな重い話がなくて、若い人は気楽に利用できるでしょうね。

個人店はお客様の人生ともかかわっているんだなあ、と思いましたよ。

たぶん、まだ来たことのない方で店の前を通っている方も、心の中で「まだやっているよ」と思っている方もいらっしゃることと思います


先ほどのお客様の話、18年前ということは店の前を通っている女子高生の3年生が生まれたときの話ですからね。

 

最後に、まだやっておりますよ。