ラインの黄金」 AT 新国立劇場
公式サイトはここ
http://nntt.jac.go.jp/opera/dasrheingold/
まずは
芸術監督の指揮する
ワーグナーは一応観ておくべきでしょう。これだけで十分かと。
今まで芸術監督がもっとオーケストラを引っ張るべきだったと思います。
そのくらい、東京フィルを引っ張っていました。
だんだん音の世界に包み込まれている気がしてたまらなかったです。
あと注記では
PAの使用でオケの音、ないしは歌手の音は出しておりました。
これは演出の要請かもしれません。
演出といえば
初めのうちは「これはセリフ劇なのか、哲学なのか?」と思ったほどに
動きが簡素で
舞台上も簡素で、嫌な雰囲気充満でした。帰りにパンフレット見たら
フィンランドの劇場のレンタル舞台で、かつ、90年代のものなんですね。
ということは承知で持ってきたということなので、これで十分と思ったのでしょう。
まあ、ストーリーはわかりやすい演出であることは事実なので
わかりやすい舞台で
音楽(オケの音と歌手の歌)を聞いてくれという感じでしょうかねえ。
そういう感じですと
いい感じの舞台でした。
歌手は
このまま、指輪のほかの演目でもそのまま行ってもいいのではないでしょうかねえ。
この人ちょっと、と思う人はいませんでした。
いやみんな、かなりの水準で
このオペラを盛り上げてくれたというべきでしょうか。
個別の議論はいらないと思います。
オケも、
かなり音を作りこんでいるなあ、と最後にかけてどんどん音が良くなりましたから
、いやどんどん引き込まれたから、すごく良かったんだと思います。

しかし、このレンタル舞台で最後までやりきるんでしょうかねえ?
それならば、
日本のアニメチームに演出させると
すごく画期的なものになるのではないかと思いました。
そのくらい中途半端。
しかし観ているときは90年代の舞台と知らないで見ていたので
わかったあとからでは、仕方ないのでしょうが、
その舞台を今の東京で借りることはないと思ったことは事実です。

たとえば
冒頭の「ライン川」の水中。
上の蛍光灯が青くて
川の中だとわかりますよ。それは。
別に大した抽象ではないし、でもね、それではつまらないと思ったんですよ。
そんなことの繰り返し。それで
途中でこの演出に関しての評価を投げ出しているんですよ。
その分
音楽を聞こうと。
そうしたら
オケも、歌手も頑張っている。何がいけないんだろうと、思っているうちに
今度はどんどん舞台に音を中心に引き込まれたというわけです。

まあ、最後の
バレエもどきの振り付けも笑えましたけど、
まあ20年も昔の舞台だとわかったら何も言えません。