ロイヤルオペラ「ドン・ジョバンニ」 AT NHKホール

ロイヤルオペラ「ドン・ジョバンニ」 AT NHKホール
公式サイトはここ
http://www.roh2015.jp/don.html
前回の公演からパッパーノの指揮です。今回はこの演目だけにしました。

まず感じたのは、来日公演はこうあるべきかな、ということ。なにか場所はNHKホールでしたが
歌手もオケもリラックスしていて、地元での公演のようでした。
私もコヴェントガーデンに観に行ったような錯覚に陥りました。
まあ、演目の初日から自分たちの間合いで公演をしているんでしょう。

このことは当然でしたが
改めて、引っ越し公演の意味を確認したことになります。そう行った気分にさせてくれる。
その劇場の香りを感じるということ。これがありました。なんでかなと思うんですが
歌手のコンディションが良かったからでしょうかねえ。

次に感想の羅列を。
まず、問題のフィナーレ。2幕最後
ドン・ジョバンニが地獄に落ちた後、
残りの6人は上手と下手に3人ずつ出てきます。客席にも電気がつき
舞台は終わったんだということに気が付かされます。
その中で
フィナーレ。妥協案ですかね。
また会場の電気は消え、そこで幕。
そしてドン・ジョバンニが立ち上がり、カーテンコールへ。
ここでは、ドン・ジョバンニではなく歌手のダルカンジェロとして。その
カーテンコールも何度も何度もカーテンは閉じることなく続きました。

今回の感想は歌手の出来栄えに尽きるのではないでしょうか?

まさにヴィラゾンが言っている通り、
モーツァルトが歌手に求めた歌唱を実現するとこういう美しい音楽宇宙ができるんだと。
個別に。
ドン・ジョバンニダルカンジェロ:もう少し甘い声かと思ったのですがどすの効いた迫力を感じました。
レポレロのエスポージト(バス)ととても良い組み合わせでした。
ドン・オッターヴィオヴィラゾン:一応名前で参加したという感じはしました。
ドンナ・アンナ:シャギムラトヴァ:彼女すごく良かったと思うけど、このソプラノは有名になっているんですかねえ?
エルヴィーラ:ディドナート:彼女もよかったというよりもソプラノはすべてよかった。
ついでに
ツェルリーナ:レージネヴァ:はちきれ感が半端なく良かったです。2月にビオンディバロックオペラで来日していたの観に行けなかったの後悔しております。


まあ、こんな感じで歌手が揃った堂々とした公演になったと思います。
演出については
まあエッセンスはわかります。だけど、プロジェクション・マッピングはどうも楽している感がする。
職人の感じがしないのです。まあデジタル職人が仕事しているんでしょうが
アナログなところが好きですねえ。
そういえばすごいのは
2幕の「窓辺にいでよ」(ドン・ジョバンニ)で出てきて舞台中央に出てきた女中
バックヌードでしたね。たぶん全裸なんでしょう。ここって
ヌードの印象がないので呆気にとられたまま、私個人的には終わってしまいました。
良いお尻していたなあ、というのが感想。汗
考えてみればロイヤルオペラは「リゴレット」でこれでもかと全裸の男女出しましたねえ。
この時思ったのは
舞台上、裸は、このように突然であれば、あるほど非日常感充満します。使い方次第なんだなあ、と思った次第。
ほかには
舞台上の迷宮のような建物の壁にすべてを映して解決なので
安易といえば安易。わかりやすいといえばわかりやすい。
そんな印象です。

オケと指揮について
オケは初めはかったるい演奏と思っていましたが慣れてくるとパッパーノがフォルテピアノで引っ張っている様子が感じられました。
そうなんです、フォルテピアノ、パッパーノ自身の演奏なんですよ。これは驚きました。
あと合唱もかなりオーケストラピットに入っておりました。

以上
歌手の歌唱の良い「ドン・ジョバンニ」ですから観る価値はある。
しかし
今回のロイヤルオペラは
ヴェルディみたいですね。「レクィエム」もやるみたいだし。
こう感じたことは事実です。
以上毎度ながらとりとめがなく申し訳ございません。