バヤデルカ AT 新国立劇場

バヤデルカ AT 新国立劇場
公式サイトはここ
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/performance/150217_003720.html

ニキヤ:小野
ソロル:ムンタギロフ
ガムザッティ:米沢
大僧正:トレウバエフ
ラジャー:貝川
マクダヴェヤ:福田
黄金:八幡
つぼ:寺田
1ヴァり:寺田
2ヴァり:堀口
3ヴァり:細田
かなり、曜日によってばらつきが出るだろうなという布陣です
しかし、それがこの初日と2日目を素晴らしいものにしているのでしょう。
まず気が付くのは
オケのダイナミックレンジの広さ。それとリズム。
かなり抑制が効いていて
バクランの指揮は良いと思う。
すごくドラマティックに東京交響楽団の演奏を引き出しておりました。
これには驚いた。
さらには
ニキヤ(小野)とガムザ(米沢)の戦いはかなり見ごたえがありました。
さらには1幕から宮殿での
女性陣の踊りには優雅さと
可憐さを感じていて
日本人もかなり見た目、完成されているなあと思う。
余談ですが
2幕目で、バクランの独走が見られます。
これ意識しているのかどうかわからないが
黄金の踊りのところ、ダンサー(八幡さん)とリズムが合っていなくて
最後まで合わないまま、八幡さん突っ走りました。ここ、オケで音を外した人いるので
せっかく決まっていた、八幡さんんの踊り水差す感じでしたねえ。ここは笑えた。
こんなコミカルな雰囲気は滅多にないです。音がずれて、踊りもずれて最後まで。。。。

しかし
バクラン、どこの国の方か存じませんが
ロシアの哀愁ある独特の音が出ていたと思う。
だからガムザッティとニキヤの比較のところ
ドラマツルギーがオケの音もすごくいい感じで出て、さえまくってました。
さらにはガムザ(米沢さん)
の抜群の安定感、素晴らしい。私は米沢さんは「ダイナミック・ダンス」での「テイク・ファイブ」の笑顔で踊っている印象があったので驚きました。
かなりしっかりとした踊りです。
それに輪をかけてニキヤ(小野さん)の最後の愛の訴え
すごい。これはすごいものを見たという気になりました。
上で指揮のバクランさんの批判はしましたが
今回の演奏についての、音による物語性はとにかくも素晴らしいものがあった。
そしてリズム。
このリズムには参った。素晴らしい。
こんな演奏と踊りを見せられたら、たまりません。
3幕
影の王国
コールド。ここは意外にも何も感じなかった。
しかしPDDと紐の踊り
と最後まで小野さんとムンタギロフさんのペアは魅せてくれた。
特にムンタギロフ
少し違和感があるくらい
浮いていた。出来すぎ。これは今後の課題かもしれない。オールジャパンの方が
すっきりとする感じはする。
あの「コジョカル・ガラ」で見たときよりも、より伸びている気がしました。

しかし、今回見ておいてよかった。最後はかったるかったけどねえ。
基本的に
3幕目って
動機は「白鳥」と同じですからねえ。プティバ最後にいたって
これがバレエの、いや恋愛の究極形のエンディングなのかもしれない、という提示なんですかねえ。
男は浮気するんですね。
終わり方が悪いかな。
いやいや、とても良い公演でした。新国立劇場バレエ団進化しました。もうどうにも止まらない、という感じです。