ミハイロフスキー・バレエ「白鳥の湖」 AT 東京フォーラム

ミハイロフスキー・バレエ「白鳥の湖」 AT 東京フォーラム
公式サイトはここ
http://www.koransha.com/ballet/mikhailovsky_ballet2015/
ちょっと前まで
マリインスキーなどと合併のうわさがあったところです。
そして、今年の来日でも元マリインスキー、元ボリショイ(特に事件がらみ、結局は来なくなりましたが)
ソリストで来日してくれております。
マトヴィエンコ(マリインスキー)など。
そんなことはどうでもいいですね。
この日は
指揮者のボグダーノフに驚きました。「白鳥」の演奏をあんなに自在にするなんて、すごくクリエイティブな方だと思いました。
特に、オデットの愛のシーン、第2幕と第4幕は薄くあたる弦の音がたまらなかったです。
良いなあ、と思って聞いておりましたよ。まあ会場では、まずは驚いたんですけどね。
あと、昨年もどこかのオーケストラのホルンで書いたと思いますが、まず外さない、という自信があるのかと思うほどに
金管が安定している。これはボリショイ、キエフと来て今回と安定しております。
というか新国立劇場で聞くオーケストラが不安定すぎるのかもしれません。
特にバレエの公演はいけません。
さてと感想を。
今回、ボルチェンコ(ワガノワ経由ボリショイから、ワガノワではスミルノワと同じ先生、そう書くとスミルノワと同じ流れですね)を見に行きました。
「白鳥」は昨年末以来、ザハロワ、ニクーリナと来てボルチェンコ。いうことなしです。
そんなラインアップを自分で選び、この日にしました。また王子がマトヴィエンコ、なんだか、マリインスキーの
香りが二人から流れていましたよ。マトヴィエンコはワガノワではないですが
確かにマリインスキーの香り、という表現がぴったりしました。
あと触れなければならないのが
振り付け。少し、簡単なものに変更していました。それでもバランス崩す子がいましたけどね。
ここまで安易に楽な方向に向かってよいのか、と思いましたけど、
物語の流れ重視していたみたいです。
「白鳥界」の世界の結束固かったし、
それと対照的に人間界の遊び気分はキャラクターダンスの内容の厚さや1幕初めの
王子の友人たちの男性ダンサーの遊び気分の4羽の白鳥たちの踊り並みの踊りが
挿入されていたりしていて、すごく
楽しいよ、という感じが、いたるところにちりばめられておりました。
また家庭教師も踊ってました。その代り
「白鳥」は結束が固い。それは4幕の初めのフォーメーションでも感じました。
すごく「人間界」と対照的でした。
以上のような感じで
少し技術的には??というところがないわけでもないですが
だから踊りを簡単にして
まとまりよくして
かつ
話の流れがよく、という感じでした。エンディングはハッピーパターン。
やはりこれが、物語を深く掘り下げるのではなく(王子の本当の姿、母との関係などなど)
単純で気楽だと思いました。

そうです、上で長く書きましたが
早く言えば、わかりやすくハッピーエンディングに向って突き進む
プロットをちりばめてあったということを言いたかっただけです。
単純で見て幸せというのが一番、というスタイルです。
道化とロットバルトは少し存在が弱いかな。
ロットバルトは呪いをかけるためオデットと踊るというか捕まえるというニュアンスがあり
ますが、それもわかりやすいですね。
最後に花嫁候補のパ・ド・シス入りましたね。驚きました。これも王子は人間界でやっていけるのに
人間界以外の世界を選んだ、もしくは
上流階級以外の比喩として「白鳥界」があり、その中で真の愛を見つけたという解釈でよろしいのかと。
まあ
楽しめる「白鳥」で、これもあり、という内容でした。
本当に最後に
ボルチェンコ調子今一つでしたが
観られただけでよし。
ただ会場のモラルはひどい。オーケストラの音が出ているのに遅れた人を会場内に入れないでほしい。