ボリショイ「白鳥の湖」  AT オーチャード

ボリショイ「白鳥の湖」  AT オーチャード
公式サイトはここ
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi2014/
配役は
https://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1202
もう次世代の若手を従えてのザハロワの踊りという感じでしょうか。
ロヂキン(王子)、ラントラートフ(ロットバルト,
しかし降板)
メドヴェージェフ(道化)、キャラクターダンス、アンナ・レベツカヤ(ロシア)アンナ・チホミロワ(スペイン)
ダリア・コフロワ(ナポリ
ワルツの中にベリャコフ(ロットバルトに変更、20日と同じ)。
友人は先日通り「バヤデルカ」コンビ。
ベストメンバーでしょうね。
と思ったら
ラントラートフ降板、ベリャコフが代役でベリャコフの代役がクリム・エフィーモフで20日とほぼ同じになりました。
感想は、ズバリ、夢の中にいるような「白鳥」でした。
前回、新国立劇場との比較でボリショイは、「能」舞台のような感じで
舞台の上に、王子の夢に出てきた白鳥(姫)が何かを語りにこの世にきてあっという間に消えていくという比喩を使いましたが、
まさにそのくらい、
あっという間の夢の世界でした。最後の王子のあの顔は夢から覚めた寝起きかと思うほどに。
私も、夢ゆえにもっと見ていたい、という飢餓感が終わってすぐに襲ってきます。
それがボリショイの今の「白鳥」でしょう。
ぐいぐい進む、プロット、そのプロットさえも、舞台の上でも
夢のごとく、ノンストップで最後まで疾走する物語。あまりのスピードゆえに
最後には虚無感のみなのか?
それをバレエですごいスピードで表現しているということは
実力なんでしょう。
音楽もノンストップ。指揮者もぐいぐいオーケストラを引っ張って行く。
この夢の世界がボリショイなんでしょう。
もう最高でした。
最高といえばザハロワ、体調がよいのか、絶好調でした。こんな彼女も珍しいのではないか?と思うほどです。
まったくよどみがなく、オデットも顔まできれいに作り上げて踊るさまは圧巻でした。
オディールも(今回はオディールが見せ場だと思う)まったく軸がぶれないさまは久しぶりです。
最高のバレエを見せていただきました。
ロヂキンもだいぶ慣れてきた感はあります。
あと目立ったのは前回と同じくロットバルトのベリャコフ。これでよかったと思います。プリンシパルのラントラートフの降板が
バレエ団の団結を高めたのか、ザハロワの気合を入れたのかとにかく良かった。(内緒ですが、メンバー少しばて始めている、ほんっじつの休養がよい作用をするとよいのですが)

あと、私個人的ですが
キャラクターダンスの
20日のハンガリーは(カルポア)と本日の(トゥラザシヴォリ)ですが、2人とも3羽の白鳥で両日とも踊っているのです。そこでは
どうも、私が見るところ、ライバル意識むき出しですね。ですから3羽の白鳥での踊りが二人の踊りの主張が乱れているように見えたのです。
二人ともコールドですけど、今後の動向に注目ですね。
書きたいことはたくさんあるのですが最後に。
本日感じたのですが
「白鳥」を始めに持ってきたのは、今回の売りが「白鳥」でそれもザハロワの「白鳥」だったのではないかということです。
それは、勝手な私の妄想ですが、ボリショイでのザハロワの「白鳥」の来日公演は今回が最後ではないか?と本日見ていて思ったのです。
それは20日に比べてより、踊りに真剣さが加わっていたことを感じたからなんです。
もし大阪はこの後ならば、なんとなくそれがボリショイ来日公演におけるザハロワの「白鳥」の最後の公演ではないかと思います。
だから、最初の演目(目玉の公演)に持ってきた、またその彼女に応えるようにオケの音も最高のバレエ音楽でした。
いやーー、今でも夢の中にいる気分です。(ルンキナの白鳥も前回が最後でしょう、そして次回からはスミルノワたちの白鳥なんでしょうね)
あと蛇足ですが
昨日は会場の雰囲気もすごく華やかでとてもいい雰囲気でした。久しぶりに感じたバレエ公演の華やかさでしたよ。