第九交響曲 BBL&IPO&東京バレエ団 AT NHK

第九交響曲 BBL&IPO&東京バレエ団 AT NHK
公式サイトはここ
http://www.nbs.or.jp/stages/1411_Ninth-Symphony/index.htm
キャストは安定キャストの方
http://www.nbs.or.jp/blog/news/contents/1303-bejart/1800-5.html#002013?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
マチネだけ変わりましたね。
まずは、率直に、感動の嵐でした、という平凡な感想です。
途中涙が出てきました。
IPO入魂の演奏。ソリストの各パートの声、そのバランス、最高でした。
それは合唱とかにダメ出しは出来るのですが、それを超えての第三楽章と合唱でした。
そして、東京バレエ団、気合入っていたなあ、というのも感じました。
第一楽章、担当しておりましたが
緊張感の中に、ピリとしたものがあり、十分役割を果たしていたと思います。
ソリストの柄本さん水香さん、またまた吉岡さんや高木さん、そして東京バレエ団男性陣、久しぶりに甦った気がしましたよ。
さて
このバレエの基本的な構造は
各大陸(4つ、ユーラシア、アフリカ、欧州、アメリカかな?)でのディオニソス的快楽、恋愛、男女関係を各楽章に配置している感じがするのですが
東京バレエ団は
アジアパートという感じのこの楽章(第一楽章)を十分にこなしておりました。
第二楽章
ここは享楽の部分というか
ギャンブル的な要素が出てきている気がしました。人間の欲望の風景というか、
前楽章を受けて
欧州的要素を受け持つパートだと思います。
ここでの大貫さんは、BBLということの枠内であり、アジア的要素とは違うと思う
第三楽章
ここはロマンチックな部分で恋愛謳歌のパートでしたね。きれいな音がオーケストラから流れておりました。それも軽やかに
楽しい恋愛みたいな感じで、見ていてほほえましかった。
第四楽章
グレートジャーニーは人類の起源にまで来ました。アフリカです。
そこで人類の創生とその繁殖、その過程でのエゴの誕生などが感じ取られました。
そしてそれは、地球上の人類の各個人の中にある、「神」の存在を確認して、その先にある、
共存という形で合唱部に突入します。
そこでのオーケストラは最高潮。
ソリストの歌の解像度も最高、オーケストラの各パートの音の解像度も最高、
そんな中での、グランドフィナーレ。
人類、その人種間の問題とともに各個人の中にあるミクロコスモス、、それを超えた共存の素晴らしさの謳歌。
最高でした。
閑話休題
初めに
ニーチェのテキストの朗読をジル・ロマンがフランス語で(フランス語ゆえにベジャールの書いたセリフだと思っておりました)語るのです。
ここで使われるパーカッションも、ドラムス(男性)コンゴ(女性)でしょう。その調和。
そしてこのニーチェの言葉は
まさに、私個人にとってはタイムリーな内容でした。まさに「パルジファル」でワーグナーが進もうとした道を批判したニーチェ
テキスト。パルジファルに置いてのワーグナーの仏教傾倒を批判した、ニーチェゆえにキリスト教の枠内でのディオニソス的要素をもっと赤裸々に持とう、
それが楽しささ、みたいなテーマが根底にある感じがしました。言い換えれば
人類はなんら差別的存在ではなく
個人の中にその差別は存在している、しかしそれはあまり表面には出ない、どんな時に出るのか?恋愛や快楽においてである。
みたいな感じが、とても支配的なテーマのような気がしました。
今までいろいろと書きましたが
とにかく、感動の一夜でした。
最近、マリインスキーからイスラエルフィル、「ラ・ボエーム」、さらにはこの舞台と
良かった、とばかり書いておりますが
こんなこと珍しいと思います。しかし、良い演奏会に続いて巡り合えております。感謝
このままボリショイに突入したいと思います。