ヴィシニョーワ・ガラ(華麗なる世界)Aプロ ATゆうぽうと

ヴィシニョーワ・ガラ(華麗なる世界)Aプロ ATゆうぽうと
公式サイトはここ
http://www.nbs.or.jp/stages/1308_vishneva/program.html
ツィッターで嘆いたんですが
直前、いたるところで安売りされていて
悲しかったです。なぜかわかりませんが
彼女は世界のトップにいる一人だと思うのに
違う人の公演の方が売れていたりします。
まあ感想を。
「オテロ」
 振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アルヴォ・ペルト
 エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

かなり秀逸な踊り、二人とも特別な存在とも言うべきオーラがありました。
ノイマイヤーの振り付けは難しい。休憩の後この作品を確かめたのですが
「オテロ」とは思いませんでした。私の中では今回の公演
この二人が大きな収穫です。

オープニング。
ヴィシを中心に各ダンサーが遠心力のように近づいては離れていくというなんと
いうか
この公演の核を示しているかのごとくのスタートです。昨年のシムキンガラあた
りから
こうした工夫がなされていてとても良いと思います。またゴメスはエンディング
とともに振付、アイディアともにセンスあると思う。

 「コッペリア
 振付:ミハイル・バリシニコフ 音楽:レオ・ドリーブ
 メラニー・ユレル、マチアス・エイマン

これも、後で確認して、振付?バリシニコフなんだ、と思ったことでした。
エイマンが出ているとパリオペラ座関係かな、と思ってしまう。エイマンはソロ
でもよくなってきました。今書いていて思ったのですが音楽ドリーブなんですね
え、パリオペラ座の二人が踊るわけだ。

 「失われた時を求めて」より "モレルとサン・ルー"
 振付:ローラン・プティ 音楽:ガブリエル・フォーレ
 マルセロ・ゴメス、デヴィッド・ホールバーグ

これはとてもとても良かった。舞台でオーラが出ておりました。
スター二人でこういう演目はなかなか出会えません。

 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチチャイコフスキー
 アシュレイ・ボーダー、ホアキン・デ・ルース

一応、本家。ここで観る分にはデ・ルース、「ドンキ」無理か?と思える感じで
したが、まあ無理なんでしょう。
ボーダーも今回の公演のみっけもの、の一人でした。彼女は良い。何が良いって
体から出てくるリズムがとても良いです。地味ながら輝いておりました。

 ―休 憩―

 「ダイアローグ」
 振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:フェデリコ・モンポウ(「ショパンの主題による変奏曲」)
 ディアナ・ヴィシニョーワ、ティアゴ・ボァディン
 ピアノ演奏:アレクセイ・ゴリボル

この日のメインでしょう。12の変奏曲ですべて内容が変わった。この対話は
恋人なのか?バレエのパートナーなのか?そして、相手に見せない内面との対話
なのか?いや、自分も知らない自我なのか?色々な切り口があったので舞台に集
中しました。
欲を言えば、こういう演目が入っているときは初日に観に行くべき。そしてもう
一度見たかったら
観に来るべきですね。そんな後を引く演目でした。カーテンコール、振付師も出
てきましたし。。。。
すごいことですよ、ノイマイヤーが、極東の国の小さな公演の一演目のカーテン
コールに出てくるなんて。

 ―休 憩―

 「フーケアーズ」
 振付:ジョージ・バランシーン 音楽:ジョージ・ガーシュイン
 アシュレイ・ボーダー

急遽入ったんですね。
よくテープが間にあったと思えるほど。
彼女は前も言いましたように、とても良い。しかし「ドンキ」の代わりにしては
短い小品でした。
悪くはないんだが、何か心に引っかかる。まあダンサーのコンディションゆえだ
から仕方なし。

 「マンフレッド」
 振付:ルドルフ・ヌレエフ 音楽:ピョートル・イリイチチャイコフスキー
 マチアス・エイマン

これも後から知ったのですが、パリオペラ座ゆかりの演目をきちんと紹介してい
るんだなあと思いました。ここで感じたのは
エイマンは日本デビューから見ておりますが、ソロ十分にいけるようになりまし
たね、ということ。テクニック的には今のパリオペラ座のメンバーからするとな
くてはならない存在でしょう。

 「ジュエルズ」より "ダイヤモンド"
 振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチチャイコフスキー
 エレーヌ・ブシェ、デヴィッド・ホールバーグ

ジュエルズ、って一部抜粋するとすごく際立ちますね。二人ともまじめにきれい
にまとめておりました。はい合格です。というような内容。

 「オネーギン」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
 振付:ジョン・クランコ 音楽:ピョートル・イリイチチャイコフスキー
 ディアナ・ヴィシニョーワ、マルセロ・ゴメス

クランコの「オネーギン」は激しい。いつ見ても激しい。
そしてこの二人は完璧でした。いやーー良いものを観た、というのが実感。
ABTではケントとゴメスが最高と思っていたけど
この二人もかなり良いです。来年日程合わないのですが「マノン」行きたいなあ。

エンディング
ピアソラ。もうかっこ良い。すごくニューヨークのテイストがあった。これは観
るべきです。
「オネーギン」からエンディングまで怒涛の連続。
ゆえにカーテンコールはいつまでも。
そんな内容でした。○。