ランメルモールのルチア AT サントリーホール

ランメルモールのルチア AT サントリーホール
公式サイトはここ
http://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=18&lang=1
直前の歌手の変更はきつい。このテノール、春祭(「タンホイザ―」)で
声が出ていなかった人です。期待度は下がりながら会場に向かいました。
ところが、またこのテノールが降板でアキーモフに変更。
ある意味良かったです。
結果的には検討はしてくれたもののエドガルド役には力不足という感は否めませ
んでした。
それで総論。
はじめのうちはどうなることか、ひやひやもののオケの音でした。何か今までの
マリインスキーとは違う
音のダサさを感じました。結局、この感想は修正されることになるのですが。
しかし第3幕を持ってしても今までの来日公演からすると音はうまく出ていなかっ
たように思えます。
これは、私の邪推ですが
日程がハードなのとバレエ公演が並行してあるので
1軍のオケがオーケストラやオペラの公演という分担ではなく
ハードな日程をこなせるメンバーがオペラ、オーケストラの公演を担当したので
はないか?ということでした。このことはバレエ公演のオケにも一筋の光が見え
た気がしました。
オケのメンバーが若いし、いかにもハードなスケジュールをこなせるという体格
の人が多かったです。
また、違った一面として
ハードな日程を世界中でこなしてきているので
その日の音を、はじめのうちの感じで決定していくという気がしてならないので
す。そのくらいはじめのころは音が来ていなかったし、整っていなかった。
しかし、だんだんと音が安定してくるんですよ。続けて演奏した第2幕位からは
かなり調子が上がってきたのが実感できました。
これも世界でそれなりの実績を残すためには必要な調整方法かもしれないと思っ
た次第です。
そして怒涛の第3幕。これには感動した。
これにはきっかけがありまして、それはサントリーホールの観客です。
前半が終わっただけだと言うのに(この前半も第1,2幕続けてやった)熱狂的な
拍手。
私自身も驚いたくらいですから、オケやソリストにその気持ちが伝わらないわけ
がありません。
休憩の後は、全然雰囲気も音も違っておりました。いわゆる、気持ちが入ったと
いうものでしょう。
そしていつの間に、感動している自分に気がついたとき、ゲルギエフ、うまい、
と思った次第です。とにかく常に良い演奏と言うのではなく、その日のベストを
引き出すということを実際に目で見てしまいました。指揮者ってこういう役目な
んだよなあ、とやけに感心した次第です。
さてとソリスト。デセイのみ。
彼女もはじめのうちは調子悪かったんですよ。やばいなあ、と思っていたのです

どうにか第3幕(正確には第2幕の途中あたりから)デセイ、やはりいいねえ、と
思わせてくれるものはありました。しかし狂乱のシーンは演奏会形式はあそこま
で淡々としたものかとも思いましたけど。第3幕は今の彼女の限界まで頑張って
くれたと思います。それが物足りないか、昔と比較してどうかはとにかく、今の
ベストの歌を披露してくれたと思います。それで十分ではないでしょうか?
ほかにはアルトゥーロのヴォロバエフ、ライモンドのバンニクが意外と良かった
のではないでしょうか?
エドガルドも頑張ってくれましたが、声のころがし方が足りない。このオペラで
なければねえ、という感じは否めません。
ということで
私はサントリーホールのお客様にやられました。うまく、この公演を成功裏に終
わらせたなあ、というのが感想です。
気持ちの良いコンサートでした。
しかし終電の関係か
音の出ているときに退出はやめてほしい。
ベストアクト
1.2.ウィーン
3.4.ボリショイ、この次にこのコンサートが入ってくると思います。世界バレエ
フェスのガラコンサートの上。
色々と批判があると思いますが
すごく、有機的にオケ、指揮者、ソリスト、観客が作用した一夜だったように思
えます。だから良かった。
あとどうでもいいのですが、新国立合唱団、客演しても同じテイストで初台で聞
いている気がしました。笑い。これはいいことなんだろうなあ。三澤さんもカー
テンコールに出てきたけど、ほとんどゲルギエフが指揮していた感じがしました
けどねえ。